

y vet 【イ・ヴェット】
⑴ " east "と" west" から成る造語。
⑵ 東と西の果てを意味する。
⑶ まだ見ぬ透明な土地。
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人を、物を、世界を、透かして見れる透明な瞳が欲しかった。
幼少期から、装飾というものに苦しみ、救われてきた。
[その矛盾の呪縛を解く「術」を探す旅]として制作を続ける。
そして、AIが台頭してゆく時代。身体改造が容易に可能な時代。
遠くなる肉体。日々、疑問の雨に打たれる。
何を信じたらいいのだろうか。我々はどこへ向かうのだろうか。豊さと貧しさのあわい。
感覚のレンズと角度を変えてみる。
信じたい、信じられるものを見つけた。
例えば、小さな頃に川辺で拾った、時を経て褪せたガラスのかけらが宝物だった幻のような記憶。
夜のアスファルトが夜空に見えた時や白い床に落ちる黒い髪の毛が仮名文字に見えた時の魔法のような瞬間。
水に温度を与えると滑らかになるような透明な力。
そんなエネルギーの観察から得た感覚で、不在のようで確かに在る「透明/半透明」の輪郭を追い、
レンズのような、コンパスのような、小さな装置を形作り続ける。
やがてその集合体は新しい形を持ち、空間を孕み、知らなかった景色を見せてくれる。
作者の生きる道が " y vet " の源であり、作者の終わりに " y vet "という空間が完成することを望む。
展示会は大凡一年に一度、
香り・綴り・写真・装身具・衣裳等、多様な媒体を横断することで
空間表現として作品を発表している。
ずっと探している場所
- " y vet "
点の集まり
確かに見える地平線
その先の「果て」を探す旅
頭を、身体を、
過るイメージとともに
季節を過ごし
香りをイメージし
言葉を綴る
日々の中で見つけた瞬間やシーンに
輪郭を与えてゆき
「形あるもの」へ
秘かに呼吸する
それらは星々を繋いだ星座のよう
やがて
新たな景色が見えてくる